年賀状
年賀状の原型は平安時代または奈良時代に、宮中で貴族が新年のあいさつを文にして交換したのが始まりといわれています。昔から、新年は新鮮な気分となる特別な日であったようです。もちろん当時は交通機関のみならず通信網も整備されていないため、遠方の人に手紙を出すことは難しい時代だったでしょう。そんな時代だからこそ、年始に手紙を交換する習慣が特別な行為とされていたのだろうと思います。
その後も戦国時代は飛脚の活躍により通信網が発達し、明治4年には郵便事業が開始され、明治6年にはハガキが誕生します。明治10年にはすでに現在の年賀状に近い、年始郵便と呼ばれる広告付きのハガキが発売されました。その後も年賀状は100年以上の歴史を歩み続け、近くのポストに投函するだけで遠方にも郵便物が届く日本の郵便システムの利便性もあいまって、現在も習慣として存在しています。
しかしながら現在では、電子メールやSNSの普及にともない、元日の年賀状の配達枚数はピークの1993年から4割以上減少しているそうです。また最近、「これを最後に、年賀状を出すのをやめさせていただきます」という年賀状を目にするようになりました。
師走の忙しい中、年賀状を書くのは大変ですが、なくなってしまうのは、やはり寂しい気がしますね。
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