読書と国語の力③
さて、公文式国語学習では、どのようにして読書と文章を読み解いていく力を結び付けているでしょうか。
そのカギとなるのが「縮約」です。耳慣れない言葉ではありますが、実はこれが、高度な読解力をつけるための公文式国語の中心となる学習法なのです。「縮約」とは、文字通り「文章を丸ごとぎゅっと圧縮すること」です。あるまとまりを持った文章を、内容を変えずに縮めていく方法であり、元の文章の話題に沿って文章を再構築することで、単に要点をとりまとめる「要約」とは区別して用いています。縮約を通じて文を短くすることは、最低限必要なものを残すことであり、「ここで書かれている一番大切なものは何か」を考えることにもなります。
実はこれは、読解力の高い読者が文章を読んでいるときに、頭の中で行っていることなのです。文章を読むときには、読みながら全部を丸暗記することはできません。読みながらまとめ、まとめながら読み進んでいるものなのです。その意味では縮約は、いわば読書そのものの再現なのです。こうして、公文式国語学習では、文章を読みながら高度な読解力を身につけていくことを目指しています。
参考文献:公文公教育研究所編『公文式がわかる』改訂版(2010年 くもん出版)
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