読書と国語の力②

 動物が好きなので、動物の本ばかりを読むように、好きな本や好きな分野ばかりを読むことは決して悪いことではありません。むしろ読書の世界の入り口では、そうした経験はとても大切です。お気に入りの1冊に出会い、繰り返し読むことが読書の世界への誘いになるからです。自分の楽しみのために読む、娯楽としての読書もその一つでしょう。


 しかし、子どもたちはいつまでも自分の世界だけにとどまっているべきではない、と公文式は考えています。好き・嫌いや得意・不得意などという自分の殻を打ち破り、さらに大きな世界を獲得していくためにも、読書の領域の幅を広げていってほしいと願っています。本の中で、こんな時代がある、こんな地域がある、こんな世界がある、こんな人がいてこんな考えがあると、たくさんの知識を得て、多くの疑似体験をして考えてほしいのです。


 公文式の国語教材では、子どもたちにこそ触れてほしい、厳選された世界の名作・名著の数々がとりあげられています。学習を通じて様々な、未知のことがらと出合うことによって、より豊かに感じ、より深く考えられる人間になってほしいと願っています。

   参考文献:公文公教育研究所編『公文式がわかる』改訂版(2010年 くもん出版)