公文式で育む「自習する経験と方法」
高校の数学教師であり、公文式の創始者であった公文 公(くもん とおる)は、生前「公文式は過去数学だけを教えてきたのではない。数学の学習を通じて、自習する経験と方法を学ばせてきた。」と語っていました。
ここで、学生時代のことを思い出してみてください。授業を聞いて、わかったつもりになっていても、後になると忘れてしまったり、テストができなかったりしたという経験はなかったでしょうか。逆に、自分で興味を持って調べたことや、好きで覚えたことはいつまでも記憶に残っていませんか。
公文式教材は、子どもたちが「自分の力で学ぶ」ことを最大限に発揮できるように、適切な例題や解説、ヒントなどを配置しています。その上問題は前に習ったことを使って類推しながら新しい問題を解き、そこで学んだ要素を使って次の問題を解くというように、たいへんゆるやかなステップで構成されています。
そして教材を解き進め、学校でまだ習っていないことでも、教えてもらわずに「できた!」「わかった!」という経験を重ねるうちに、難しそうに思える問題でも、まず自分で解いてみよう、やってみようという挑戦力が身についていきます。この「自習する経験と方法」こそ、公文式が子どもたちに身につけてほしいことなのです。
参考文献:公文公教育研究所編『公文式がわかる』改訂版(2010 くもん出版)
0コメント